【この茶碗にについて】
九代 大樋長左衛門の飴釉茶碗でございます。陶印は「大樋」。
箱には千利休が作った茶道の流派「表千家」の十三代目、即中斎(そくちゅうさい)の書付があります。
昨今、茶道具市場の相場は下降傾向ですが、保存状態も良く、お客様にご満足いただける金額にてお譲りいただきました。
【九代 大樋長左衛門(おおひ・ちょうざえもん)について】
八代の長男。茶陶の名工としてうたわれる。裏千家15代鵬雲斎家元より「陶土斎」の称号を与えられました。
1986(昭和61)年、86歳にて没。
印に「大樋」「長左衛門」円印、「陶土斎」楕円印があります。
大樋焼の伝統を近代に受け継ぎ、茶陶の分野においてその美意識と技術を高めた功績で知られる名陶芸家です。
柔らかなフォルム、鉄釉の深い発色、そして手捏ねによる温もりある造形で、多くの茶人や文化人から支持を集めました。
彼の作品は、単なる器としての存在を超え、「用の美」と「精神性」の融合を目指したものであり、今日の大樋焼の基礎を築いた人物として高く評価されています。
晩年まで創作を続け、伝統技術の継承と後進の育成にも尽力しました。
その精神は息子である十代、そして孫である十一代へと受け継がれ、現代における大樋焼の在り方に深い影響を与え続けています。
【表千家 茶道具の査定ポイント】
表千家の作品の場合は、購入された時から入っている箱(共箱)は大切な箱で、共箱には表千家宗匠の自筆のサインと 落款 が押されています。共箱は、保証書も兼ねており、有る・無しで、買取価格は大きく変動します。
また、茶道具には表千家宗匠の書付が付いた品々がありますが、やはり、お茶会では書付は高く評価され、好まれます。
・保存状態は良好か(ヤケやシミがないかどうか)
・作者の銘はあるか
・本人の作であるかどうか(証明書や鑑定書があるかどうか)
・人気の作品かどうか
これらによって、茶道具の評価や買取査定は大きく変わります。
五宝堂では、表千家・裏千家・武者小路千家などの流派を問わず、宗匠や茶人の書付がある茶道具、千家十職の茶道具を取り扱っております。
茶道具のご売却をお考えでしたらぜひ五宝堂をご用命ください。
時代物の1点物からお稽古道具まで種類・状態は問わず、どのような茶道具であっても五宝堂では査定対象となっております。