【秦 蔵六(はた ぞうろく)について】
秦蔵六とは、青銅器製作を得意とする鋳金家です。
江戸時代末期から明治時代にかけて活躍した初代以降、代々秦蔵六という名前と共に鋳金の技が受け継がれてきました。現在は京都金属工芸協同組合理事長を務める6代目が秦蔵六として活躍しています。
蝋型鋳造に優れた才能を持っており、中国古銅器の模作で知られ、
もっぱら中国周漢時代の古銅器について撥蠟法を研究し、蠟型鋳造に秀でています。
中国銅器の写しは他の追随を許さないほど素晴らしく、その技は代々受け継がれています。
初代秦蔵六は、江戸時代末期の文久年間、鉄瓶製作で知られていた龍文堂の門下に入り、鋳金の技術を身に付けました。その後独立しましたが、その技術が優れていたことは、孝明天皇の御印、15代将軍徳川慶喜の黄金印、明治天皇の天皇御璽、大日本国璽など、国の重要人物が使用する印の鋳造を任されたことからもうかがえます。
1984年に四世が逝去した後、五世が秦蔵六を継承。
現在は、六世が伝統と革新を融合させた作品の制作に励んでいます。
【略歴】
初代 秦蔵六
1823年 山城国愛宕郡生まれ
初名は米蔵
蝋型(ろうがた)鋳造を得意とし
中国古銅器の模作で知られる。
1845年 2代竜文堂の弟子となり鋳造技術を学ぶ
1873年 明治天皇の御璽(ぎょじ)国璽を鋳造
1890年 逝去
二代 秦蔵六
生没年不詳
三代 秦蔵六
1882年 生まれ
二代蔵六三男
二代蔵六に師事
1934年 逝去
四代 秦蔵六
1898年 生まれ
二代秦蔵六に師事
技術保存資格者
京都金属工芸協会長
1984年 逝去
五代 秦蔵六
生没年不詳
六代 秦蔵六
1952年 生まれ
五代秦蔵六に師事
京都金属工芸協同組合理事長
【秦蔵六の作品の買取相場について】
秦蔵六の花器(花瓶)は、ほとんどが青銅製です。
鋳金によって作られており、背の高い一輪挿しタイプのものが中心です。
歴代の秦蔵六は、さまざまな金工作品を残しています。
初代が製作技法の研究に従事した青銅器を筆頭に、鉄瓶、銀瓶、茶壷、香炉、銅花器、蓋置などが見られます。
煎茶道具が多く、錫や銀の作品が人気で、周りに絵が彫刻されている作品は高い評価となります。
銀瓶の場合、持ち手や蓋のつまみが鉄で出来ていたり、注ぎ口が鉄砲口や龍口のデザインが人気です。
秦蔵六の作品の場合は、購入された時から入っている箱(共箱)は大切な箱で、共箱には秦蔵六の自筆のサインと 落款 が押されています。
共箱は、保証書も兼ねており、有る・無しで、買取価格は大きく変動します。
五宝堂では骨董品・美術品を中心に幅広いお買取品種を取り扱っておりますので、
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