本日は埼玉県川越市へ出張買取。
遺品整理にともないお声かけいただきました。故人様が大切にされてました木版画など、多数ございましたので、しっかりと査定させていただきました。 保存状態も良かったのでお客様にご満足いただける金額にてすべて買受させていただきました。
「富嶽三十六景について」
「富嶽三十六景」は、葛飾北斎(1760-1849)の代表作にして、浮世絵風景画全体の代表作と言えます。このシリーズは天保初年頃(1830)から、西村永寿堂によって出版されました。シリーズには、「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」など世界的にも大変有名な作品が含まれています。江戸時代の出版当初、タイトル通り36図が出版されましたが、非常に好評であったため、後から10図が追加され、最終的に全46図のシリーズとなりました。
当時、人々の間には、富士山に対する篤い信仰がありました。富士山に集団で参拝する「富士講」が盛んに行われ、富士山に見立てた築山「富士塚」が江戸の各地に作られました。こうした社会的風潮の中で「富嶽三十六景」は生まれ、爆発的なヒット作となりました。いつの時代も日本人の心の中にある富士山の姿。「富嶽三十六景」は、単なる風景画の域を超え、日本人の心の風景を描き出しています。
今回お売りいただきましたのは悠々洞出版の復刻版ですが、日本人のみならず海外コレクターからも高く評価され、中古市場で、今もなお人気の高い木版画シリーズでございます。
五宝堂では葛飾北斎、歌川広重などの木版画を探しております。ご処分される前に、査定は無料でございますので、まずはお気軽にお問い合わせください。スタッフ一同、心よりお待ち申し上げます。
本日は五宝堂をご指名いただき、誠にありがとうございました。
葛飾北斎(かつしかほくさい)
江戸時代の浮世絵師。
1760年 江戸で生まれる
1764年 幕府御用達の鏡磨師・中島伊勢の養子となる
1778年 浮世絵師・勝川春章の門下となる
1779年 役者絵「瀬川菊之丞 正宗娘おれん」でデビュー
1794年 勝川派を破門される
1802年 狂歌絵本『画本東都遊』の刊行を開始
1805年 「葛飾北斎」の号を用いる
1812年 関西方面へ旅行する
1814年 『北斎漫画』の初編を発刊する
1817年 名古屋西掛所(西本願寺別院)境内にて120畳大の達磨半身像を描く
1823年 『富嶽三十六景』制作開始
1831年 『富嶽三十六景』開版
1834年 『富嶽百景』を手がける
1849年 5月10日、90歳で逝去