この作品について
本日お売りいただきましたのは、釜師 佐藤清光 作 桐菊地紋 銚子 赤絵花鳥紋替蓋 共箱付き。
佐藤清光(さとう せいこう)は、山形県出身の釜師で、清光堂工芸社の8代目として活躍した山形鋳物界の名工として知られています。
重要無形文化財保持者である塗師 根来実三(ねごろ じつぞう )に師事して修行を積み、卓越した技術と天性の美術的才能を生かした茶の湯釜には多くの茶人から高い評価を受け、愛用されています。
佐藤清光の家は江戸時代後期に初代喜六が銅町において鋳物業を始めた事からその歴史が始まっており、その技術は代々伝承されてきました。
羽広鉄瓶を得意とした6代目徳太郎が「清光堂」を屋号とし、7代目善太郎は茶の湯釜、鉄瓶の制作で高い評価を受けており、8代目である佐藤清光の時代ではこれまでに伝承されてきた技法をベースとして高度なへら絞りによる端正でシャープな造形と、繊細な感性を組み込んだ独自の作風で茶の湯釜専門工房として現在の清光堂の基礎を築きあげました。
その意志は9代目にあたる息子の旺光が受け継ぎ、用の美に満ちた茶の湯釜の制作に励んでおり、旺光の息子・琢実もまた10代目として受け継ぐために修行を重ねる日々を続けています。
佐藤清光の作風の特徴は草花、鳥、雲などの文様をモチーフとしており、茶釜はもちろんの事、風炉や鉄瓶にも秀作を見せています。
銚子(ちょうし)は、茶事にだされる食事(懐石)に用いる道具で、酒を入れて杯につぐための、注ぎ口と持ち手のある蓋付の器のことです。
「酒次」(さけつぎ)ともいいます。
銚子は、「さしなべ」とも読み、銚子の「銚」は「鍋」のことで、「銚子鍋」(ちょうしなべ)、「燗鍋」(かんなべ)ともいいます。
銚子には、鉄地のほかに、塗物や陶磁器のものもあり、古染付・新渡染付・古九谷・志野・織部・古清水・御菩薩などが知られています。
昔は、酒を入れ火にかけて燗をするものでしたが、古田織部から席上において用いるようになったといいます。
それ以前には塗物の「酒次」(さけつぎ)を用いたといいます。
今日では、別に燗をした酒を銚子に入れて席に持ち出しているのが多いようです。
銚子は、釜師の手になるものが多く、一般的には丸形・角形・阿古陀形のものが広く用いられていますが、富士形・鶴首・車軸・四方・平丸など釜の形に倣い、そこに口と手を付けたもの、舟形・七宝形・竹節形など種々の器形を型どった珍しいものも作られています。釜のように霰・浪・雷紋・糸目・七宝などの地紋のあるものも多くあります。
銚子の蓋は、共蓋ですが、替蓋として、青磁・染付・色絵・祥瑞・織部・志野などが用いられます。
銚子の蓋は、しばしば香炉の蓋、茶器の蓋、香合の蓋などを利用し、それらの蓋に合わせて銚子を作らせたものもあります。
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本日は五宝堂をご指名いただき、誠にありがとうございました。
佐藤清光 略歴
1916年 山形県で生まれる
1953年 日展で初入選する
1958年 ベルギー万国博覧会で受賞する
1964年 アメリカ万国博覧会で受賞する
1985年 第32回日本伝統工芸展で入選する
1989年 齋藤茂吉文化賞を受賞する
1992年 勲六等瑞宝章を受章する
1996年 逝去