岩谷堂箪笥 4段整理箪笥

この作品について

本日お買取りさせていただきましたので、岩手県の伝統工芸・民芸家具「岩谷堂箪笥」。

同じ東北地方の「仙台箪笥」と比較されることも多い岩谷堂箪笥ですが、その何よりの違いは装飾金具のデザインで、どちらも職人の高度な技術による手作業で仕上げられているという点では同じですが、仙台箪笥の金具に繊細な印象のものが多い一方、岩谷堂箪笥の金具は大胆で豪快なデザイン、インパクトの強さを放っております。

岩谷堂箪笥について

谷堂箪笥の始まりは18世紀末、藤原清衡が産業奨励に尽力していたとされる時代まで遡ります。
当時の岩谷堂城主が、家臣に車付箪笥や長持などの木工家具の商品化を研究させたのが始まりと言われています。
1780年代には塗装の研究が行われ、車付きの箪笥の開発に成功。
岩谷堂箪笥の最大の特徴とも言うべき装飾金具がつくられるようになったのは、1820年代前後のことです。
徳兵衛という鍛冶職人が彫金金具を考案し、箪笥を金庫として使用することを目的に、より堅牢な金具がつくられるようになっていきました。
明治時代になると庶民の家庭にも箪笥が置かれるのが一般的になり、そんな時代の流れの中で漆塗と飾り金具の美しい岩谷堂箪笥は注目を集め、広く人々に受け入れられていくことになります。大正の頃には、当時としてはスタイリッシュだった重ね箪笥の製作なども、話題の的となりました。
その後さらに時代は流れ、洋風家具の流行に押され人気が低迷してしまった時期もありながら、東京での展示会を期に再び販売数は増え、1982年には晴れて伝統工芸品の指定を受けました。
近年は、これまでの岩谷堂箪笥の特徴であった重厚・かつ堅牢な雰囲気の漂うものばかりではなく、現代人の多種多様なライフスタイルに馴染む、モダンで軽やかなデザインのものも数多く製作しています。

五宝堂では岩谷堂箪笥の買取を強化しております。

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